太宰治記念館「斜陽館」

朝、玄関を開けると足元の石畳に氷が張っていました
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何とも言えぬ美しい流線模様
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陽に当たると間もなく消えてしまう儚い自然の造形美
素敵なプレゼントを貰ったようで朝からテンションが上がります

向かいに輝く白い建物は津軽三味線会館です
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大変長らくお待たせいたしました
冬期間の休館が間もなく終わり4月1日からまた開館いたします
館内には津軽三味線のルーツがわかる展示室もありますが
やはりメインは毎日開催される生演奏でしょう
目の前で繰り広げられるプロの津軽三味線は
何度聞いても心がじゃわめぎます
入館券は当日有効なので午前2回、午後3回の5回聞いてもOKです
また一年間有効の年間パスポートがお得でお勧めですよ
 皆様のお越しを心よりお待ちしております


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(PR)津軽三味線会館
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昨日、穏やかな春らしい天気に誘われて
ゆっくり庭を眺めていたら緑色の葉陰から
ピンクや黄、白、薄紫色などの蕾が膨らんでいました
ようやく雪が融けたなと思っていたら
足元には、もう 小さい春がやってきていました
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写真は昨年の庭の様子です

もうじき斜陽館も花に囲まれた季節を迎えます


太宰治記念館「斜陽館」
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 今日は晴天。
3月も半ばが過ぎ、白鳥たちの声が
日に日に聞こえなくなってきました。
春雷が轟き、強風が続いた日々が終わり、
今日は、朝から穏やかなお天気です。
明日からは、また一週間程、
マイナスの気温のようです。
春の枯葉が、風に舞っています。


(野中)(菊代のほうに背を向け、外の景色を眺めながら)もう、すっかり春だ。津軽の春は、ドカンと一時いっときにやって来るね。
(菊代)(しんみり)ほんとうに。ホップ、ステップ、エンド、ジャンプなんて飛び方でなくて、ほんのワンステップで、からりと春になってしまうのねえ。あんなに深く積っていた雪も、あっと思うまもなく消えてしまって、ほんとうに不思議で、おそろしいくらいだったわ。あたしは、もう十年も津軽から離れていたので、津軽の春はワンステップでやって来るという事を、すっかり忘れていて、あんなに野山一めんに深く積っている雪がみんな消えてしまうのには、五月いっぱいかかるのじゃないかしらと思っていたの。それが、まあ、ねえ、消えはじめたと思ったら、十日と経たないうちに、綺麗きれいに消えてしまったじゃないの。四月のはじめに、こんな、春の青草を見る事が出来るなんて、思いも寄らなかったわ。
(野中)(相変らず外の景色を眺めながら)青草? しかし、雪の下から現われたのは青草だけじゃないんだ。ごらん、もう一面の落葉だ。去年の秋に散って落ちた枯葉が、そのまんま、また雪の下から現われて来た。意味ないね、この落葉は。(ひくく笑う)永い冬の間、昼も夜も、雪の下積になって我慢して、いったい何を待っていたのだろう。ぞっとするね。雪が消えて、こんなきたならしい姿を現わしたところで、生きかえるわけはないんだし、これはこのまま腐って行くだけなんだ。(菊代のほうに向き直り、ガラス戸に背をもたせかけ、笑いながら冗談みたいな口調で)めぐりきたれる春も、このくたびれ切った枯葉たちには、無意味だ。なんのために雪の下で永い間、辛抱しんぼうしていたのだろう。雪が消えたところで、この枯葉たちは、どうにもなりやしないんだ。ナンセンス、というものだ。

菊代、声立てて笑う。

(野中)(わざとまじめな顔になって)いや、笑いごとじゃありませんよ。僕たちだって、こんなナンセンスの春の枯葉かも知れないさ。十年間も、それ以上も、こらえて、辛抱して、どうやら虫のように、わずかに生きて来たような気がしているけれども、しかし、いつのまにやら、枯れて落ちて死んでしまっているのかも知れない。これからは、ただ腐って行くだけで、春が来ても夏が来ても、永遠によみがえる事がないのに、それに気がつかず、人並に春の来るのを待っていたりして、まるでもう意味の無い身の上になってしまっているんじゃないのかな。
                        『春の枯葉』


 春の枯葉を押しのけて、草花たちが眠りから目覚める季節。

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桜の蕾が、何となく色付いてきたようです。







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