太宰治記念館「斜陽館」

甘酸っぱさが魅力の「紅玉」ですが

津軽では昔から「せんなり」と呼んでいます

アップルパイに使われるリンゴですね

このせんなりもあまり作られなくなってきました

私は大好きなんですが(⌒-⌒)

P1040105
P1040104

東京の築地でこの「紅玉」が4個で500円で売られていました

たまげました(゚Д゚≡゚д゚)エッ!?

昨日、鶴田のあるじゃで1袋120円で買ってきました

1袋8個入ってました・・・・・(^_^)ニコニコ


その築地も今月の6日で終了してしまいました('A`|||)

あのむき出しのにぎやかさがたまらない魅力だったのですが

東京へ行くたのしみがひとつ消えました

豊洲へ移転したらどんな感じになるんでしょうか

きれいになりすぎてただのスーパーマーケットになるんでしょうか

立ち食いの「卵焼き」も思い出になってしまうんだなぁ・・・・('д` ;)

(PR)太宰治記念館「斜陽館」
(PR)津軽三味線会館
(PR)喫茶店「駅舎」
(PR)かなぎ元気村「かだるべぇ」
    http://www.kanagi-gc.net

先日、小説「津軽」に登場する、たけさんの娘さんが亡くなったそうです。
太宰は、たけさんを訪ねたが、運動会に出かけていて運動場を探したものの見つけられず、
バスで帰ろうと思ったが諦めきれずもう一度訪ねていきました。



いよいよ帰ることにきめて、バスの発着所のベンチに腰をおろし、十分くらゐ休んでまた立ち上り、ぶらぶらその辺を歩いて、それぢやあ、もういちど、たけの留守宅の前まで行つて、ひと知れず今生《こんじやう》のいとま乞ひでもして来ようと苦笑しながら、金物屋の前まで行き、ふと見ると、入口の南京錠がはづれてゐる。さうして戸が二、三寸あいてゐる。天のたすけ! と勇気百倍、グワラリといふ品の悪い形容でも使はなければ間に合はないほど勢ひ込んでガラス戸を押しあげ、
「ごめん下さい、ごめん下さい。」
「はい。」と奥から返事があつて、十四、五の水兵服を着た女の子が顔を出した。私は、その子の顔によつて、たけの顔をはつきり思ひ出した。もはや遠慮をせず、土間の奥のその子のそばまで寄つて行つて、
「金木の津島です。」と名乗つた。
 少女は、あ、と言つて笑つた。津島の子供を育てたといふ事を、たけは、自分の子供たちにもかねがね言つて聞かせてゐたのかも知れない。もうそれだけで、私とその少女の間に、一切の他人行儀が無くなつた。ありがたいものだと思つた。私は、たけの子だ。女中の子だつて何だつてかまはない。私は大声で言へる。私は、たけの子だ。兄たちに軽蔑されたつていい。私は、この少女ときやうだいだ。
「ああ、よかつた。」私は思はずさう口走つて、「たけは? まだ、運動会?」
「さう。」少女も私に対しては毫末の警戒も含羞もなく、落ちついて首肯き、「私は腹がいたくて、いま、薬をとりに帰つたの。」気の毒だが、その腹いたが、よかつたのだ。腹いたに感謝だ。この子をつかまへたからには、もう安心。大丈夫たけに逢へる。もう何が何でもこの子に縋つて、離れなけれやいいのだ。
「ずいぶん運動場を捜し廻つたんだが、見つからなかつた。」
「さう。」と言つてかすかに首肯き、おなかをおさへた。
「まだ痛いか。」
「すこし。」と言つた。
「薬を飲んだか。」
 黙つて首肯く。
「ひどく痛いか。」
 笑つて、かぶりを振つた。
「それぢやあ、たのむ。僕を、これから、たけのところへ連れて行つてくれよ。お前もおなかが痛いだらうが、僕だつて、遠くから来たんだ。歩けるか。」
「うん。」と大きく首肯いた。        小説「津軽」より

(PR)太宰治記念館「斜陽館」
(PR)津軽三味線会館
(PR)喫茶店「駅舎」
(PR)かなぎ元気村「かだるべぇ」
    http://www.kanagi-gc.net



Check

 三連休2日目。
台風25号が強風とともに
駆け抜けて行きました。
風も心配していた程でもなく、
ほっと一安心。
台風にもかかわらず、多くのお客様に
ご来館頂きまして、ありがとうございます。

先日あなたは、新浪漫派の時局的意義とやらに就いて、

ラジオ放送をなさいました。私が茶の間で夕刊を読んでいたら、

不意にあなたのお名前が放送せられ、つづいてあなたのお声が。

私には、他人の声のような気が致しました。なんという不潔に

濁った声でしょう。いやな、お人だと思いました。はっきり、

あなたという男を、遠くから批判出来ました。あなたは、

ただのお人です。これからも、ずんずん、うまく、出世を

なさるでしょう。くだらない。「私の、こんにち在るは」

というお言葉を聞いて、私は、スイッチを切りました。

一体、何になったお積りなのでしょう。恥じて下さい。

「こんにち在るは」なんて恐しい無智な言葉は、二度と、

ふたたび、おっしゃらないで下さい。ああ、あなたは

早く躓いたら、いいのだ。私は、あの夜、早く休みました。

電気を消して、ひとりで仰向に寝ていると、背筋の下で、

こおろぎが懸命に鳴いていました。縁の下で鳴いている

のですけれど、それが、ちょうど私の背筋の真下あたりで

鳴いているので、なんだか私の背骨の中で小さいきりぎりすが

鳴いているような気がするのでした。この小さい、幽かな声を

一生忘れずに、背骨にしまって生きて行こうと思いました。

この世では、きっと、あなたが正しくて、私こそ間違っている

のだろうとも思いますが、私には、どこが、どんなに間違って

いるのか、どうしても、わかりません。

                 太宰治『きりぎりす』

 コオロギの音が、ものがなしく聞こえる頃となりました。
 

(PR)太宰治記念館「斜陽館」
(PR)津軽三味線会館
(PR)喫茶店「駅舎」
(PR)かなぎ元気村「かだるべぇ」
    http://www.kanagi-gc.net



Check

このページのトップヘ