太宰治記念館「斜陽館」

2022年05月

     昨日・今日と28℃超えの夏日
でも当館は四方窓を開けるので 「暑い」
とはならず爽やかです

ある人がカラスのヒナを助けたんだそうです
すると翌日 玄関にパンが置いてあったそうです
信じるか信じないかはあなた次第です
個人的にはあると思います
カラスはよく人間の食べ物を盗みますから
大事な食べ物をお礼に置いたのでは・・・
  
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南池の真っすぐ伸びた高野槙(コウヤマキ)に
カラスの巣があるようです
よく「ぐぇっ ぐぇっ」と聞こえてました
悪さしなければ 見守っていたいですね  

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 初夏の訪れ。
カッコウが鳴き始めました。
満開のツツジ、
水田の上を滑空するツバメ。
晴天続きの五月、
雨、やや少なし。

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 太宰が『津軽』執筆のために旅をしたのも、
ちょうど今頃。
藤の花を見かけて、『津軽』の中の
藤を思い出しました。

 空には雲雀がせはしく囀つてゐる。
かうして、故郷の春の野路を歩くのも、
二十年振りくらゐであらうか。一面の芝生で、
ところどころに低い灌木の繁みがあつたり、
小さい沼があつたり、土地の起伏もゆるやかで、
一昔前だつたら都会の人たちは、絶好のゴルフ場とでも
言つてほめたであらう。(中略)
水の落ちる音が、次第に高く聞えて来た。
溜池の端に、鹿の子滝といふ、この地方の名所がある。
ほどなく、その五丈ばかりの細い滝が、私たちの脚下に見えた。
つまり私たちは、荘右衛門沢のに沿うた幅一尺くらゐの
心細い小路を歩いてゐるのであつて、右手はすぐ屏風を立てたやうな山、
左手は足もとから断崖になつてゐて、その谷底に滝壺がいかにも深さうな
青い色でとぐろを巻いてゐるのである。
「これは、どうも、目まひの気味です。」と嫂は、冗談めかして言つて、
陽子の手にすがりついて、おつかなさうに歩いてゐる。
 右手の山腹には、ツツジが美しく咲いてゐる。
兄はピツケルを肩にかついで、ツツジの見事に咲き誇つてゐる箇所に
来るたんびに、少し歩調をゆるめる。藤の花も、そろそろ咲きかけてゐる。
路は次第に下り坂になつて、私たちは滝口に降りた。
一間ほどの幅の小さい谷川で、流れのまんなかあたりに、
木の根株が置かれてあり、それを足がかりにして、ひよいひよいと
二歩で飛び越せるやうになつてゐる。ひとりひとり、ひよいひよいと飛び越した。
                              太宰 治『津軽』

津軽は今、百花の季節。


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太宰治が13歳の時、生家の蔵の廊下の先に離れ座敷を建築し、11歳年上の文治さんが新婚生活を送りました。
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祝言の晩に私と弟とはその新しい嫂の部屋へ忍んで行つたが、嫂は部屋の入口を脊にして坐つて髮を結はせてゐた。私は鏡に映つた花嫁のほのじろい笑顏をちらと見るなり、弟をひきずつて逃げ歸つた。そして私は、たいしたもんでねえでば! と力こめて強がりを言つた。 「思ひ出」
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ちょうど思春期だった太宰少年は、顔に吹き出物が出て少し不機嫌だったようで、なおのこと反発して嫂を貶す言葉を発したようでした。
この場所は、戦時中太宰治が疎開して1年3か月暮らし、23作品もの作品を書きました。戦後、母屋から切り離して移転し、現在は太宰治疎開の家として一般公開されています。
太宰治疎開の家では、近年コロナの影響でお休みしていた原きよさんの「太宰治生誕日朗読会」を今年再会することになりました。
朗読

詳しくは、こちら↓↓↓
太宰治疎開の家Facebook

昭和19年小説に『津軽』執筆のため、5月12日に青森行きの列車に乗り込みました。
蟹田の友人N君と陸奥湾沿いに旅をして約10日、蟹田の蟹をお土産に持って生家にたどり着いたのは78年前のたぶん今日あたり。

蟹
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「蟹は、どうしませう。あとで?」と嫂は小声で私に言つた。私は蟹田の蟹を少しお土産に持つて来たのだ。
「さあ。」蟹といふものは、どうも野趣がありすぎて上品のお膳をいやしくする傾きがあるので私はちよつと躊躇した。嫂も同じ気持だつたのかも知れない。
「蟹?」と長兄は聞きとがめて、「かまひませんよ。持つて来なさい。ナプキンも一緒に。」
 今夜は、長兄もお婿さんがゐるせゐか、機嫌がいいやうだ。
 蟹が出た。
「おあがり、なさいませんか。」と長兄はお婿さんにもすすめて、自身まつさきに蟹の甲羅をむいた。
 私は、ほつとした。
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長兄文治さんと次兄英治さんと文治さんの娘婿さんとの酒のお席に合流し、一緒にお酒を飲み、だいぶ和んできたところで娘婿さんが、
「失礼ですが、どなたです。」
「・・・・英治さんの弟です・・・」と返事したそうですが、実家に戻ってきただけなのに(20年ぶりだけど)新しい家族からどなた?は、さすがにショックが大きかったようですね。
78年前のたぶん今日、二階の金襖のある和室での出来事です。
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