ようやく、マイナスの気温が無くなりそうです。
まだ寒いと思い、うかうかしていたら、
暖かな陽射しを浴びて、
花々が春の枯葉を押しのけて、
次々に咲き出しました。
冬から春へと、
時は流れます。


(野中)(菊代のほうに背を向け、外の景色を眺めながら)
     もう、すっかり春だ。津軽の春は、ドカンと一時
にやって来るね。
(菊代)(しんみり)ほんとうに。ホップ、ステップ、エンド、
     ジャンプなんて飛び方でなくて、ほんのワンステップで、
     からりと春になってしまうのねえ。あんなに深く積っていた雪も、
     あっと思うまもなく消えてしまって、ほんとうに不思議で、
     おそろしいくらいだったわ。あたしは、もう十年も津軽から
     離れていたので、津軽の春はワンステップでやって来るという事を、
     すっかり忘れていて、あんなに野山一めんに深く積っている雪が
     みんな消えてしまうのには、五月いっぱいかかるのじゃないかしらと
     思っていたの。それが、まあ、ねえ、消えはじめたと思ったら、
     十日と経たないうちに、綺麗
に消えてしまったじゃないの。
     四月のはじめに、こんな、春の青草を見る事が出来るなんて、
     思いも寄らなかったわ。
                     太宰 治『春の枯葉』

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