今日も残暑。
残暑は、9月の上旬まで続くようですが、
少しずつ、秋の気配を感じる頃となりました。
昨夜、近隣の打ち上げ花火の音を聞きながら、
繁忙期、駆け足で過ぎ去った夏の終わりを思いました。
また、台風がきています。
交通機関情報をご確認の上、お越しください。
残暑は、9月の上旬まで続くようですが、
少しずつ、秋の気配を感じる頃となりました。
昨夜、近隣の打ち上げ花火の音を聞きながら、
繁忙期、駆け足で過ぎ去った夏の終わりを思いました。
また、台風がきています。
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正直に言うことに致しましょう。
私は、これから書こうとする小説、または、
過去に於いて書いた小説の意図、願望、その苦心を、
あまり言いたくないのです。それは、私の虚傲 からでは、
ないと思うのです。書いてみて、それが相手に受け入れられなかったら、
もうどう仕様もないことですし、これから書こうと思っている小説を、
どんなにパッションもって語っても、いまのところ私は、
そんなに優秀の大傑作、書けないのが、わかっていますし、
現在の私の作家としての力量も、たいてい見当がついていますし、
だいいち私は、いま、もっと正直にならなければいけません。
多くの作家が、身のほど知らずの抱負 を、無邪気に語っているのを
聞いていると、私はその人たちを、うらやましく思い、
生きていることが、矢鱈 に、つらく思われて来るのです。
わかりますか? けれども私は、そんな作家たちを、
決して拒否できないのです。(中略)
私は、不親切な医者かも知れません。私は、私の作品を、
私は、不親切な医者かも知れません。私は、私の作品を、
これは傑作だなんて、言ったことは、ありません。
悪作だ、と言ったこともありません。それは、傑作でもなければ、
悪作でもないのが、わかっているからです。少し、いいほうかも知れない。
けれども、今までのところ、私は一篇も、傑作を書いていません。
それは、たしかです。こないだも、或る先輩のお方と話合ったことですが、
じっさい、自分自身の胸にストンと全部、きれいに納得できるような作品、
一つでも自分が書いていたら、また、いますぐ書ける自信があったら、
なんで、こんな、どぶ鼠みたいに、うろうろしていようぞ。
銀座でも、議事堂のまえでも、帝大の構内でも、りゅうとした身なりで、
堂々あるいてみせるのだが、どうも、いけません、当分、私は、
だめでしょう。そう言ったら、その先輩のお方も、なるほど、
人から貴下の代表作は? と聞かれたとき、さあ、桜の園、
三人姉妹なんか、どうでしょう、とつつましく答えることができるようだったら、
いいねえ、としんみり答えたことでした。
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