太宰治記念館「斜陽館」

2025年07月

 今日も朝から汗だく
  湿度が不快指数が私の前髪が

どうやら本格的な夏を迎える前から意識して
汗をかける身体づくりに取り組んだ成果かなッ
いやただの汗かきなのかッ

 皆さん
 「からだあんべぇ どんでぇらぁ~?」
   (体の具合はどうですかぁ~?)

テレビを観ていたら気になるワード
『冷房病』正式な医学用語ではないみたいですが
 冷房の効いた室内と暑い屋外との急激な温度差や
 冷房の使い過ぎによって自律神経のバランスが崩れ
 様々な体調不良を引き起こす状態だそうです。
 症状としては冷え、だるさ、肩こり、頭痛、めまい
 食欲不振、不眠などが現れる事があるそうです。
 夏バテかな?と思ってしまいそうですがその違いは
『冷房病』→上手に汗を掛けなくなり、体温調整が
      うまくいかなくなる状態。
『夏バテ』→体温調整の為にかいた汗がうまく
      蒸発せずのぼせた状態。

対策としては
室温は25~28℃程度を目安に外気温との差を5℃以内
する。温かい食事を摂り体を内側から温める。
シャワーだけでなく、湯船に浸かって体を温める。
などすぐにでも実践できそうですよね

暑いですがエアコンの温度設定、今一度見直し大事
みなさん一緒に気を付けていきましょうねぇ~
とは言っても、同時進行で熱中症にも
気を付けて行かないといけませんね


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この階段は使用人が板の間(台所)から2階の客間へと
お茶などを運ぶ為の裏階段になりますが
普段お客様は上り下りできない階段となっています。
が、ちしまくんが特別に見せてくれました

そしてお気付きになりましたでしょか?
ちしまくんトレドマークのマントを脱ぎました

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   足元には靴下カバー
そうなんです!!冬だけでなく冷房の冷え対策にも
活躍してくれそうな靴下カバーです

 しばしの涼しさは終わり、再びの猛暑到来。
今日から、また2週間、30℃越えの日々が始まります。
 気が付けば、もう7月半ば。
早々とネムノキの花が咲いていて、びっくりしました。
季節の巡りが一カ月も早いようで、
草むらには、秋の虫の子供が顔を覗かせています。

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 暑いですね。ことしは特に暑いようですね。実に暑い。
こんなに暑いのに、わざわざこんな田舎にまでおいで下さって、
本当に恐縮に思うのですが、さて、私には何一つ話題が無い。
上衣をお脱ぎになって下さい。どうぞ。こんな暑いのに外を歩くのは
つらいものです。パラソルをさして歩くと、少したすかるかも
知れませんが、男がパラソルをさして歩いている姿は、
あまり見かけませんね。

 本当に何も話題が無くていけません。画の話? 
それも困ります。以前は私も、たいへん画が好きで、
画家の友人もたくさんあって、その画家たちの作品を、
片端からけなして得意顔をしていた事もあったのですが、
昨年の秋に、ひとりでこっそり画をかいてみて、
その
下手へたさにわれながら呆れてそれ以来は、
画の話は一言もしない事にきめました。このごろは、
友人の作品にも、ひたすら感服するように心掛けています。

 これは、画の話ではありませんが、先日、新橋演舞場へ
文楽を見に行きました。文楽は学生時代にいちど見たきりで、
ほとんど十年振りだったものですから、れいの栄三、文五郎たちが、
その十年間に於いて、さらに驚嘆すべき程の円熟を芸の上に加えたで
あろうと大いに期待して出かけたわけですが、拝見するに少しも
違っていない。十年前と、そっくりそのまま同じでした。
私の期待は、はずれたわけですが、けれども、私は考え直しました。
この変っていないという一事こそ、真に驚嘆、敬服に価すべきものではないか。
進歩していない、というと悪く聞えますが、退歩していないと言い直したら
どうでしょう。退歩しないという事は、之はよほどの事なのです。

 修業という事は、天才に到る方法ではなくて、若い頃の天稟てんぴんのものを、
いつまでも持ち堪へる為にこそ、必要なのです。退歩しないというのは、
これはよほどの努力です。ある程度の高さを、いつまでも変らずに
持ちつづけている芸術家はよほどの奴です。たいていの人は年齢と
共に退歩する。としをとると自然に芸術が立派になって来る、
なんてのは嘘ですね。人一倍の修業をしなけれあ、
どんな天才だって落ちてしまいます。いちど落ちたら、それっきりです。

 変らないという事、その事だけでも、並たいていのものじゃないんだ。
いわんや、芸の上の進歩とか、大飛躍とかいうものは、ほとんど製作者自身には
考えられぬくらいのおそろしいもので、それこそ天意を待つより他に
仕方のないものだ。紙一重のわずかな進歩だって、どうして、どうして。
自分では絶えず工夫して進んでいるつもりでも、はたからはまず、
現状維持くらいにしか見えないものです。製作の経験も何もない
野次馬たちが、どうもあの作家には飛躍が無い、十年一日の如しだね、
なんて生意気な事を言っていますが、その十年一日が、どれだけの
修業に依って持ち堪えられているものかまるでご存じがないのです。
権威ある批評をしようと思ったら、まず、ご自分でも或る程度まで
製作の苦労をなめてみる事ですね。

 どうも暑いですね。こんな暑い日にはいっそドテラでも着てみたら、
どうかしら。かえって涼しいかも知れない。なにしろ暑い。
              ――「芸術新聞」昭和十七年八月――
                       太宰 治 『炎天汗談』

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今日の北池の様子です。
小さな金魚たちは、春から約3倍は大きくなりました。
これも、季節の巡りの早さと関係があるのでしょうか……?。









こんにちは~
予想最高気温27℃晴れ
涼風が吹き爽やかな陽気となった本日の金木町

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夏空に煉瓦色が映えますね~
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蝉の声も暑い日だと少し耳ざわりなのですが
こんな日には心地よい夏の声に聞こえます
つい、うっかり、目を閉じて、ウトウト・・なんて
あっ、気を引き締めなければ、天気予報によると
明日からまた30℃越えの日が続くそうです
そして、台風第5号がゆっくり北上中との事🌀
急な天候の変化に注意しましょうね

さてさて、7月1日のブログでもお知らせしましたが
7.8.9月限定 夏休み応援企画
館内を回ってクイズの答えを探そう!・・・
7月1日のブログは⇒こちらをクリック

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今日現在で約20個の缶バッジがゲットされております
ご来館の際は是非挑戦してみてください

それでは、本日はこの辺で







 本日の金木町も過ごしやすい
         風が気持ちいいですッ

さてさて本日当館米蔵とお座敷にて
  『文学イベント青森 斜陽館』
芸人で随筆家でもある「九月」さんの
サイン会や読書会が開催されます

・米蔵にて 11:00~16:00
        一次創作同人誌即売会
・お座敷にて閉館後18:00~
        サイン会&読書会

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九月さんは青森県八戸市出身
ピン芸人として一人芝居風のコントを中心に活動中
劇場、アートギャラリー、民家、廃墟、山、海など
全国各地で場所を選ばずコントライブを行っている
ようです
廃墟!!と聞いて夏なのでビックリしましたが
いろいろな場所でコントライブを行っているのが
なんだかとても興味がわきますね

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全編書下ろし!待望の初エッセー
『走る道化、浮かぶ日常』単行本は勿論ですが
電子書籍版もあるようなので気になった方は
ぜひ読んでみて下さい

 昨日から、何日ぶりかの涼風の中にいます。
冷たい飲み物ではなく、今日は久しぶりに
熱いコーヒーが美味しいと感じました。。
バラの花びらの先端が、暑さで茶色になる程の暑さが続き、
アブラゼミの鳴き声に、夏本番を思う今日この頃。
明後日からは、また暑い日々の予報が出ています。
春がくるのも早かったですが、夏も早く来てしまったようで、
季節が急ぎ足で過ぎていきます。

 東京の三鷹の家にいた頃は、毎日のように近所に爆弾が落ちて、
私は死んだってかまわないが、しかしこの子の頭上に爆弾が落ちたら、
この子はとうとう、海というものを一度も見ずに死んでしまうのだと思うと、
つらい気がした。私は津軽平野のまんなかに生れたので、
海を見ることがおそく、十歳くらいの時に、はじめて海を見たのである。
そうして、その時の大興奮は、いまでも、私の最も貴重な思い出の一つに
なっているのである。この子にも、いちど海を見せてやりたい。

 子供は女の子で五歳である。やがて、三鷹の家は爆弾でこわされたが、
家の者は誰も傷を負わなかった。私たちは妻の里の甲府市へ移った。
しかし、まもなく甲府市も敵機に襲われ、私たちのいる家は全焼した。
しかし、戦いは
なおつづく。いよいよ、私の生れた土地へ妻子を連れて行くより他は無い。
そこが最後の死場所である。私たちは甲府から、津軽の生家に向って出発した。
三昼夜かかって、やっと秋田県の
東能代ひがしのしろまでたどりつき、そこから五能線に乗り換えて、
少しほっとした。

「海は、海の見えるのは、どちら側です。」
 私はまず車掌に尋ねる。この線は海岸のすぐ近くを通っているのである。
私たちは、海の見える側に坐った。

「海が見えるよ。もうすぐ見えるよ。浦島太郎さんの海が見えるよ。」
 私ひとり、何かと騒いでいる。
「ほら! 海だ。ごらん、海だよ、ああ、海だ。ね、大きいだろう、ね、海だよ。」
 とうとうこの子にも、海を見せてやる事が出来たのである。
「川だわねえ、お母さん。」と子供は平気である。
「川?」私は愕然がくぜんとした。
「ああ、川。」妻は半分眠りながら答える。
「川じゃないよ。海だよ。てんで、まるで、違うじゃないか! 
川だなんて、ひどいじゃないか。」

 実につまらない思いで、私ひとり、黄昏たそがれの海を眺める。
                      太宰 治『海』

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7月、海の季節、潮の香り、夏の風……。



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