私事ではありますが、密かに誕生日を迎えました。
年が増えて喜ぶ年齢でもありませんので密かに・・・なのです。
1月16日は、弘前出身の作家・葛西善蔵の誕生日でもあります。
太宰の作品に「善蔵を思ふ」という短編小説がありますが、
それは葛西善蔵さんのことらしいのです。でも作中には
善蔵さんらしき人が登場しないのです。
名誉挽回と意気込みすぎて逆に醜態をさらしてしまった作中のD(太宰)は、
破滅型の人生を送った同郷の先輩を重ねたのかも知れないですね。
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太宰治の誕生日は 6月19日、この小間で生れました。
太宰治は、同じ誕生日の見ず知らずの詩人から手紙をもらい、
「これをご縁に、一夜、吞まないか」とお誘いを受けたそうです。
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私は返事を出した。
「僕は、つまらない男であるから、
逢えばきっとがっかりなさるでしょう。
どうも、こわいのです。明治四十二年六月十九日生れの宿命を、
あなたもご存じの事と思います。
どうか、あの、小心にめんじて、おゆるし下さい。」
割に素直に書けたと思った。 
                        「六月十九日」
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